耳鳴りの治療は、聴覚検査など検査結果をもとに耳鳴りの原因の治療になります。ですが、耳鳴りの原因の病気を特定できないこともありますし、耳鳴りの原因が分かっても完全に耳鳴りを治療することは難しいとされており、決定的な耳鳴りの治療法は見つかっていません。耳鳴りの治療としては、薬物療法・心理療法・マスカー療法やTRT療法など音を利用する治療、理学療法などです。
耳鳴りの治療前に問診を含む診察や検査を行います。耳鳴りがある場合は、程度に個人差がありますが難聴があるため、聴覚検査が行われます。また、頭部のMRI検査・側頭骨のCT検査が行われたりします。
耳鳴りの原因は、耳の疾患(中耳、内耳、聴神経の病気)の場合と特に原因がはっきりしない場合があります。勿論、耳の疾患で起こる場合は原因となっている病気を治療することで耳鳴りも完治できる場合がありますが、特に原因がわからない耳鳴りの場合の治療は難しく、抗うつ剤や抗不安剤などの薬で耳鳴りが気にならなくなるまで治療継続するのが一般的のようです。耳鳴りの治療は、耳鳴りを完全に消す治療ではなく、耳鳴りの症状を和らげて、日常生活に差し障りがないようにすることになります。治療とともに生活習慣を改善したりして、耳鳴りとうまく付き合えるようにします。
基本的な耳鳴り治療は薬による治療です。血管拡張剤・血流改善剤・ビタミン剤・抗うつ剤・抗不安剤・自律神経調整薬などが処方されます。必要に応じて心理療法(バイオフィードバック法やカウンセリングなど)で耳鳴りによる苦痛を軽減したりします。
耳鳴りの耐性を高めて耳鳴りを抑える方法として音を利用した療法があります。補聴器で耳鳴りが抑えられることがよくあるようです。マスカー療法(マスキング療法)は、耳鳴りに似た周波数の雑音を発生させる補聴器のような耳鳴りマスカーと呼ばれる装置を装着する療法です。
耳鳴りは気にし始めると益々気になって、それがストレスになって更に耳鳴りを悪化させてしまう悪循環が生じることがあります。耳鳴りは、耳鳴りの音が耳そのものから発せられるのではなく、脳が耳鳴りを意識してしまうのが原因と考えられています。その点で注目されているのがTRT療法という耳鳴りの治療です。TRT療法(「耳鳴り順応療法、Tinnitus retraining therapy)は、耳鳴りが聞こえないように治療するのではなく、日常生活で耳鳴りの音が気にならないように訓練する方法で、耳鳴りのメカニズムを知るカウンセリングと、別の音を使って耳鳴りに慣れる音響療法、の二つで耳鳴りの悪化の悪循環を断ち切って耳鳴りの苦痛を軽減しようとする療法です。TRT治療は薬のように副作用がないのがメリットですが、短期間の効果は期待できず長期間にわたって治療を続ける必要がありますし、TRT治療を行っているクリニックも少なく、健康保険が適用されていないというデメリットがあります。
耳鳴りの理学療法として、鍼・灸・マッサージ・電磁波・低周波などもあります。自分にあった耳鳴りの治療を選択するのが大切と考えられます。

